カメラをじっくりまったり楽しむブログ。オールドレンズ/フィルムカメラ/ミラーレス

2021/10/29

【本紹介】ニッコール千夜一夜物語/Nikkorレンズのすべて|オールドニッコール選びの道標に!

読むNikon。Nikkorレンズ選びの参考書。

こんにちは、みず(@mizucamera_)です。ご覧いただきありがとうございます。
今日のテーマは、「読むNikon!」

NikonとNikkor本

みずかめら
みず

読書の秋。秋の長雨で撮影に行けない日は、Nikonに関する本を読みませんか?

みなさんご存知のとおり、近年ミラーレス一眼ユーザーが増え、各種マウントアダプターも発売されていることから、「一眼レフ」時代のレンズ、いわゆるオールドレンズを「ミラーレス一眼」に装着するぶんにはメーカーの縛りがほぼなくなったといってもいい状況にあります。例えばNikonのカメラボディを持っていなくても、Nikkorレンズの写りを気軽に体験できるようになった、とても素敵な時代に生きています。。。♡

オールドレンズの中にはびっくりするくらい高額取引されているレンズも多々ある一方、今回のテーマであるNikonのレンズたちは、中古で出回っている玉数もなかなか多いため、比較的手軽に手にすることができる国産オールドレンズなのではないかと思います。(もちろん、希少価値の高いものはすっごーく高額ですが、、、)

一方で、同じ焦点距離・絞り値のレンズであっても、発売された時代によりレンズの構成やコーティングや、外観が大きく異なります。そのため、じぶんにしっくりくるレンズ探しは意外と大変かもしれません。

今回はそんなレンズ選びの道標になってくれる、おすすめの本を2冊ご紹介します。また、最後にNikonの一眼レフの歴史をたどることのできる1冊をご紹介します。


★ニッコール千夜一夜物語 I

ニッコール千夜一夜物語I

まず初めは、最近発売されたこちらから。

本書は、現在Webで掲載されている(それより前は会報誌での掲載だったのですね、今回初めて知りました)ニッコール千夜一夜物語の中で、1話~40話の中からピックアップされたお話が掲載されています。レンズに関する網羅的なカタログ本というよりかは、レンズ開発エピソード読み物ですね。
40話までの全てのニッコール千夜一夜物語が掲載されているわけではないため、お気に入りのレンズに関するエピソードが掲載されているか否かが気になる場合は、目次を見てチェックしてみるといいかもしれません。

各レンズに関するエピソードは、Web掲載版に一部加筆修正がされていたり、レンズ構成図や仕様が見やすく記載されていたりと、もちろん進化しています。
レンズ開発における苦悩が見え隠れするエピソードを読んでいると、ああ素敵だなあ手にしてみたいなあ、写りを自分の目で確かめてみたいなあという気持ちがむくむくとわいてきてしまいます。。。執筆者さんの選ぶ名玉も必見です。

I ということは続編に期待しちゃいますね!

【この本を購入した時のこぼれ話】当初Kindle版を買おうと思っていたのですが、発売日0時当時にはKindle版が公開されておらず(現在は公開・販売されています!)、てっきり本誌だけなのかなーと思いこんでAmazonでぽちって購入しました。。。買った数時間後にKindle版が公開されていてちょっと切ない気持ちにはなりましたが、かなり文字多めの読み物系なので、紙媒体で購入して正解だった気もします。

「ニッコール千夜一夜物語」は、ニコンの光学設計者ふたりが執筆する、ニコン製レンズ(ニッコール)の開発ストーリーや性能を実写(作例)とともに解説するという人気連載。本書はその連載記事に加筆・修正を加え、網羅性と資料性を重視しながら再編集した、いわば“ニッコールレンズ百科”の決定版。 当時の設計者が何を考えていたか、どんな写りをするのか……現役の光学設計者が専門的な見地から、わかりやすくひもといていく。


★Nikkorレンズのすべて

Nikkorレンズのすべて Kindle版

次にご紹介するのはこちら。

あの伝説といってもいいであろうデジタル一眼レフ、Nikon Df の発売に合わせて出版された本のようです。本誌中に、紹介されているレンズをDfに装着した際の写真が多数掲載されています。うう...Df欲しくなる...

本書はいうなればNikon Fマウントのマニュアルレンズ専門のレンズカタログ
焦点距離ごとにレンズの写真が並んでいまして、それぞれの焦点距離ではレンズが Auto Nikkor → ニューニッコール → Ai ...進化していく様子が各レンズのスペックとともに掲載されています。カタログ的に見るにはとても優秀な本だと思います。同様の焦点距離・絞り値のレンズでも、このような進化の過程をたどってきたのかと実感できます。光学系の進化はもちろん、外観面での変化を眺めるのも面白いです。電子的に制御される部分が増えるにしたがってレンズ鏡筒はどんどんすっきりとしていくのですが、わたし的には「メカ!」って感じのつよいAuto Nikkor時代のレンズの外観が特にお気に入りです。

この本を読んで知ったのが、リニューアルで最短撮影距離が短くなっているケースが多いこと。この辺りを注意して読むと、自分の使用シーンにしっくりくるレンズ選びができそうです。

また、著名写真家さんやレンズ開発者さん、Nikon修理のプロフェッショナルが集うキィートスさんのへのインタビューや撮り比べコラムなどもあり、読みごたえ十分。
おなじ「Micro Nikkor」をうたうレンズであっても、時代の要望の変化により、ここまで写りの雰囲気が違うのか、と作例と共に実感できたりも。読み物パートも大満足でした。

オールドレンズ全般に言えることですが、オールドレンズはそのレンズの「過去」「未来」の文脈が分かったうえで購入できるものです。そのため、現行レンズにおける今後あるのかないのか分からないのリニューアルを案じて購入タイミングを思案する必要が無いのがいいなあっていつも思っています。

そうそう、この本は多少出版年が古く感じるかもしれませんが、わたしたちが知りたいのは古いレンズの話ですから、新しいレンズが載っている必要は無いのです。というわけで情報に古さは感じませんでしたね。Fマウントの新作レンズがこれ以上増えることもないですから、いつでも「今が買い!」な本です。

1959年、一眼レフカメラ・ニコンFと同時に誕生してから現在まで、不変のマウントを持つニッコールレンズ。名玉と謳われたレンズから、誰もが使ったことのあるポピュラーな標準レンズまで、ニッコールレンズの歴史・魅力に迫った一冊です。



そして最後に1冊。

★絶対ニコン主義!

絶対ニコン主義 Kindle版

こちらはNikonのフィルムカメラ レンジファインダー・一眼レフの歴史をたどれる一冊
例えばわたしの所有するF3に関する話題だと、ジウジアーロデザインになる前の試作機の画像、F3プレスなど各特殊仕様の改造ポイント紹介、内部の巻き上げやシャッターのメカニズム、全パーツ図など、貴重な資料が盛り盛りです。※スキャンによって電子ブック化したもののようで、ちょっと部分的に画像や文字がクリアではないところもありますが、読むのに支障のでるレベルではありません。

注意点としては、表紙の写真の多くがNikon F 以降のフィルム一眼レフなので、一眼レフに関するエピソードが書かれているのかなと思い込んでいたのですが、ざっくりと内容の半分くらいはレンジファインダー時代の話、もう半分が一眼レフの話でした。一眼レフだけに興味がある方にとっても十分ボリューミーには感じましたが、念のためご注意ください。

ちなみにじっくり各機種取り上げられているのはF3まで、F4・F5も試作機やプロ仕様解像モデル紹介はあり、FM・FE・Nikomat系は簡単な紹介にとどまります。
機械としてのカメラにロマンを感じる方にぜひ読んでほしい貴重な情報がたくさんでした。

2021年10月現在Kindle Unlimited会員の方は追加料金なしで読めますし、非会員の方はKindle版・あるいは楽天Kobo版を買ったとしても500円程度(価格はいずれも2021年10月現在)とかなりお手頃価格でかなり多くの知識を得られるので、Nikonのフィルムカメラ好きな方には大変おすすめです。

頑丈で格好よく、そしてメカっぽい魅力にあふれている。金属製品の精密感を極めたような感触。頑固一徹!多くの人々を魅了し続ける往年のニコンカメラのメカニカル&マニュアルな真髄を全方位から徹底詳解。



というわけで、Nikonにまつわるお気に入りの本3冊のご紹介でした。ご覧いただきありがとうございました。よかったらもう1記事どうぞ:
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