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2021/06/29

オールドレンズ好きカメラ女子がニコン Z fc、オリンパスPEN E-P7、富士フィルムX-S10比べた結果!

event_note6/29/2021 editBy mizu

Nikon Z fc、Olympus PEN E-P7、Fujifilm X-S10、どれが推せる?

カメラに雑貨としての可愛さを求めているわたしとしては、無視できないニュースが飛び込んできました。Nikon Z fc の発表です!

フィルムカメラのデザインを踏襲したボディ、斜体じゃないNikonロゴ!
やはりフィルムカメラブームもあり、クラシカルデザインを各社推してきていますね。

電化製品として、機能性メインの「黒い箱」を持ちたいんじゃなくて、カメラらしい見た目の(カメラらしいの定義は難しいけど、クラシックスタイルの)カメラを持ちたい、そのためにカメラ買いたい層は結構いるはず。現にスマホケースとかでも、クラシックカメラの形を模したものを首から下げるのが流行ったときもありましたし。いくら中古で「元祖」のフィルムカメラが手に入るとはいえ、新品が良い層も一定数いるだろうし、フィルムデビューまでの勇気はない...って層もいるだろうし。

そこで今回は、フィルムカメラライクな外観を持つ、実売価格10万円前後のカメラとして、Nikon Z fcと、最近発売された OLYMPUS PEN E-P7、そして愛機のFujifilm X-S10 を比べてみて思ったことを書いていこうと思います。
ただ、X-S10を溺愛しているので、その辺のバイアスはかかりまくりであることをご了承願います。


3機種のスペック比較


■見た目・カラーバリエーション

Fujifilm X-S10はブラック1色。ペンタ部の張り出し部分にフラッシュが収められています。なかなかクラシカルな見た目で好き。OLYMPUS PEN E-P7はシルバー(ブラック)とホワイトの2色。やはりフィルムカメラ時代のPENを彷彿とさせるデザインですが、クラシカルさと現代らしさの融合を感じます。素敵!
そしてNikon Z fcはもろフィルムニコンですよね。カラーはブラック&貼り革変更でさらに6色に変更できます。今までのミラーレスは革風の凹凸テクスチャを付けた樹脂ボディが多く、貼り革変更でイメージチェンジをする発想はありませんでした。フィルムカメラライクに貼り革変更できるのはアツいですよね。貼り革のカラーの違いによって、リセールバリューに違いは出てくるでしょうか。いつか「Nikon公式に送らず、自分で貼り革変えてみた」みたいな動画とか、「セルフ貼り革チェンジキット」とか出てきそうな予感がします。
どれもかわいいよお。持ちたくなるだけじゃなく、被写体にしたくなるデザインだと思います。

■センサーサイズ

X-S10Z fc:APS-C、PEN E-P7:マイクロフォーサーズ
最近は軽量コンパクトなフルサイズ機も出てきているとはいえ、どうしてもフルサイズ対応のレンズは大きくなってしまいがちなので、センサーサイズがこのくらいなのは全体のバランスを考えるといいですね。

■有効画素数

X-S10:約2610万画素、Z fc:2088万画素、PEN E-P7:約2030万画素
Z fcもう一声!っていう気持ちもなくはない...かな。
追記:もう一声とも思ったのですが、軽い気持ちのスナップ写真を量産して楽しむことを考えたら、画素数そこまで多くなくてもいいかなと思えてきました。


■ボディ内手振れ補正

X-S10PEN E-P7:アリ、Z fc:無し(対応レンズによる手振れ補正はアリ)
現代の純正レンズを使っている分には問題ありませんが、オールドレンズ遊びをするとなると、手振れ補正があった方が精神衛生上良いです。わたし的には。でもフィルムカメラ時代には当然手振れ補正なんてないことを考えると、きちっと脇を締めて撮る練習!と思えばなくてもいけるかなあ。

■色のコントロール

この手のミドルレンジカメラの利用者の皆さん(わたしも含む)は、毎回毎回RAW現像をしているわけではないから、撮って出しの色が好みになってくれるのに越したことはないんじゃない、って方も多いのではないでしょうか?
また、カメラを使って「スマホで撮れない写真」を撮っている実感を得るためには、シャッターを押すだけで吐き出される画作りが重要な気がします。

X-S10は言わずと知れた富士フィルムの「フィルムシミュレーションを使えるのが強い。人気の新シミュレーションである「クラシックネガ」も使えます。フィルムメーカーならではの色にきゅんとしました。

PEN E-P7デジタルPEN-F譲りの「カラープロファイルコントロールをかなり推していましたよね。悲しいかな実機を試したことはまだないのですが、直感的な操作で使いやすそう。

一方 Z fc、「ピクチャーコントロールシステム」は従来機と比べると特に大幅進化はないみたいですね。従来機のZ50と作例写真も同じです。より「エモい」画に特化したフィルターとか増やしてくると思っていたんだけどなあ。
なんていうか、クラシックな見た目だから中身もクラシックに調和、ってわけではないんだなってことがだんだん分かってきました。


■USB接続端子

地味だけど個人的にはめっちゃ重要で気になるポイント!
X-S10Z fc:Type-C端子、PEN E-P7:まさかのUSB Micro-B
今ドキ、全部Type-Cだろうと思っていたけどそうでもありませんでした。ここ数年のスマホは大抵Type-Cでしょうから、手持ちの充電ケーブルを共用できる点でType-C採用はありがたいです。
ちなみにNikonのAPS-C従来機であるZ50はUSB Micro-Bでした。Z fc、時代に則した良アプデですね!

■動画性能

いずれのカメラもチルトだったりバリアングルだったりで液晶が稼働して自撮りできますし、記録時間が30分未満の制限があるのは共通です。
唯一注目しているポイントは、ハイスピード撮影。これは使いたい人とそうでない人の差が激しいとは思うのですが…
X-S10:240 fps、Z fcPEN E-P7:120 fps
です。より滑らかに動物の動き撮ってみたいとか、ミルククラウンを撮ってみたいとかの目的があれば240 fps あるとうれしいかな?動画の途中にハイスピードのゆっくり動画が入ると一気に雰囲気でますよね。

■対応レンズ(かなり重要ポイント!)

せっかくレンズ交換式のミラーレスなんですから、交換レンズの充実度や手の出しやすさはかなり重要ポイントだと思います。

X-S10のXマウントは、そもそも富士フィルム製のカメラボディのほとんどがクラシカルなデザインでありますので、純正レンズもそれにマッチするデザインがなされています。また、富士フィルムのXマウントレンズはすべてAPS-用ですし、Xマウント製品が発売されてからかなり経っていますので、レンズのバリエーションも十分に揃いつつあります。そしてもちろん、マウントアダプター経由でXマウント用ではないレンズを付けることもできますし、最近人気のマニュアルフォーカス中華レンズなんかもいいかもしれません。

PEN E-P7のマイクロフォーザーズはこれまでのレンズ資産もありますし、Olympus純正のM.ZUIKO DIGITALレンズはブラックだけでなくシルバーのカラーバリエーションを用意していたり、絞りリング&絞りの表記もついていたりするので、クラシカルデザインに十分マッチします。もちろんマウントアダプター経由で…(以下略)

一方、Z fc のZマウントは正直不安感があります。。。これまでに発売されているレンズはNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRを除いてカラーは黒のみ、デザインもすっきりと洗練されていて極めて現代的です。フィルムライクなカメラにマッチするかというと…わたしは微妙に思います。(そのために単焦点キットレンズとして、MF時代のレンズに似たゴム巻き&ローレット加工がされているレンズ Z fc 28mm f/2.8 Special Edition を用意したのだとは思いますが…)

また、現在発売されているZマウントレンズのはほとんどフルサイズ(FXフォーマット)用ですので、APS-C(DXフォーマット)のZ fcでももちろん使えますが、割高になってしまいます。Nikonさん的には、追加レンズをほいほい購入しない若者層や、フルサイズ用もお構いなしにガンガン買っちゃうベテラン層を見込んでるのでしょうか…。

そんなこんなで純正ミラーレス用レンズはおいておくとして、Fマウントレンズ(AiとかAuto Nikkor時代のデザインが合いますよね)を使う場合には純正マウントアダプター FTZ…と思うのですが、デザインエモくない!合わない!アダプターだけちぐはぐになってしまうよ、、、(&高い。)どうにか旧時代のレンズにマッチするデザインのFマウント→Zマウントのアダプターが出てくれればと思ってしまいます。Ai機構でレンズの絞り値をExif記録できちゃうような、非Aiレンズ付ける用の可倒レバーついているような、デザインがいい感じのマウントアダプター来たらもうね、うれし涙なんですけど。。。

とりあえずマウントアダプター無しですっきりとレンズを付けるとしたら、やっぱりボディのデザインを生かして&低コストで、クラシカルな見た目と操作感を楽しめるMF中華レンズがなかなか良い組み合わせかなあ。


おわりに

Z fc、基本はZ 50ベースで部分部分を時代のニーズに合わせてアップデート&デザインをクラシックにした、って感じでしょうか。中身のクラシックさとか、対応レンズとかを考えるとちょっと寂しい気もしますが、今後の展開に期待感はあります。これからNikonも若手のYoutuberさんとかに商品提供してレビュー動画出てくるのかなあと思うとちょっと楽しみですね。

さんざん書いてはきましたが、こういう趣味性の強いカメラってスペックだけで語ってもしょうがなくて、自分が毎日連れて歩きたくなるか、が一番大事ですよね。これを読んでくださったあなたが、お気に入りの相棒に出会えますように。

(私の場合は、今回いろいろと調べたのを通して、よりX-S10への愛が増したとともに、Nikon Dfやっぱり欲しいなあって気持ちも増してしまったし、フィルムのPEN FTあたりも欲しいなあって気持ちがむくむくしてきてしまいました...底なし物欲...)