X-S10、もうすぐ発売1周年おめでとう!長期使用レビュー!
こんにちは、みず(@mizucamera_)です。ご覧いただきありがとうございます。
今日は「富士フィルムX-S10長期レビュー」です!!
X-S10、発売直後ではなく2021年2月に購入しました。他社製品とも相当悩んで、この子にしました。そしてあまりにもX-S10との生活が楽しすぎて、ある意味人生を狂わされました。(このブログを始めたり、思っていた以上にレンズへの出費がかさんだり...)笑
そんなこんなで半年くらい(購入~2021年9月頭当時)でショット数.comさんによると、
撮影枚数10000枚を超えていました。たくさんシャッター切ってきたなあ。こんな感じでけっこうじっくりX-S10と向き合ってきたので、長期使用レビューをしてみようと思います。よかったらぜひお読みください。
※富士フィルム機はこのX-S10が初めてで、「富士フィルムの文脈」を知らないため、「これはX-S10じゃなくて富士フィルム機全般に言える優位性だろう」とか、「これが富士フィルム伝統の操作性だ!」とかもあるかもしれませんが、ご了承くださいませ。
写真も動画もかなり楽しめる、まだまだしばらく第一線のカメラだと思います!
本レビュー執筆者の撮影プロフィール
もしかしたらこの記事で初めて当ブログをご覧になっているかたもいらっしゃるかもなので、執筆者「みず」の撮影に関するプロフィールを簡単に記しておきます。
- ★このX-S10で富士フィルム機デビュー(以前はSONY α6000ユーザーでした。相当悩んだ末のマウント変更。)
- ★カメラ超ガチ勢ではない&すごくたくさん写真に時間を割けないので、撮って出し多め。
- ★旅行に行けない昨今なので、被写体はほぼ植物やご近所スナップ、ポートレートもほぼ撮らない
- ★Xマウント用所有レンズ:キットレンズのXC15-45、望遠ズームのXF55-200、VILTROX 33mmF1.4、オールドレンズ用各種マウントアダプター
★X-S10の愛せるところ
(1) サイズ感とグリップ感が素晴らしい
クラシカルな外観、かなり「カメラらしいカメラ」って感じなのですが、意外コンパクトなのがX-S10。わたしの手のサイズは一般的な実験用使い捨て手袋でいうとSサイズであまり大きいわけではなくて、いわゆるフルサイズのフラッグシップとかは大きすぎて持ちにくいなあと感じる手なのですが、X-S10のサイズ感はしっくりきます。
素の状態でしっくりきすぎて、ボディ底部を覆うサードパーティー製のケース付けるとちょっと大きく感じるくらい。(↑の写真でいうAELボタンは指の長さが足りないのでほとんど使っていません。。。)
逆に手の大きい方にはちょっと指が余る感じになるのかなあ。ケースとか、L型ブラケットとか付けてサイズアップしてもいいかもですね。そして特筆すべきはこのグリップ。
X-S10 with XF55-200 |
富士フィルム機でここまで深いグリップ、なかなか無いですよね。こんな感じでちょっと大きめの望遠ズームレンズを装着していても、しっかり握れるのがうれしい。
(2) キットズームレンズ(安い方)がなかなか優秀
開放F値2.8スタートの超人気キットズームレンズXF 18-55mm F2.8-4 R LM OISの影に隠れて、お手頃価格のほうの超軽量&電動ズーム機能付きキットズームXC 15-45mm F3.5-5.6 OIS PZはあまり注目されていないような気がするのですが、この子なかなか優秀です。
15mmスタートなのでかなり広く撮れるのが、自撮りとかテーブルフォトとかちょっとした用途に便利。わたしは写真よりもどちらかというと動画用途に使うことの方が多いです。
そして現代といえばオンライン会議が頻発すると思うのですが、これがまた超相性いいんですよね。富士フィルムの純正ソフトX-Webcamを使うとこのX-S10をWebカメラとして活用できるのがほんとに便利で。
広角端が15mmでかなり広く映るし(広角レンズにありがちな収差はソフトウェア的によく補正されているので顔がびょーんとでかくなるとかも気になりません)、電動ズームで画角を滑らかに変更できるし、ボディ側もレンズ側も手振れ補正がついているので、ジンバルとか用意せずともX-S10を三脚につけて、三脚ごと台車にのっけてコロコロ動かすと超滑らかに部屋を映せます。実際、バーチャル研究室見学企画が捗りました。
(3) モードダイヤル搭載
富士フィルム機ってシャッタースピードダイヤルがついているイメージをずっと持っていまして、それがなんとなく玄人志向というか、わたしにはまだ早いかなって勝手に遠ざけてしまっていたところがあるんですよね。(今思えばシャッタースピードをオートにしとけば実質絞り優先モードで使えるわけだから何にも怖がることは無かったのですが...)そこでこのモードダイヤル、他メーカー派だったわたしの富士フィルム参入障壁をぐぐっと下げてくれました。
モードダイヤルの文字色が白一色なのも良い。色がちゃかちゃかしていると初心者機っぽくてそそられないので、シンプルさが素敵です。
(4) オールドレンズが使いやすいボディ内手振れ補正・マウントアダプター使用時レンズ登録機能・クラシカルなデザイン
ボディ内手振れ補正ついてボディ単体価格10万円台前半(2021年10月現在)は価格破壊!ですよね。具体的に他社製品の名前は出さないですけど、ボディ内手振れ補正付きだと他社はもっとすっごい高いですもん。あるいはこの価格帯だとボディ内は付いてなくて、レンズ側の手振れ補正で対応してくださいーってのも多い中で。なんとありがたい。手振れしないシャッタースピードで撮ればいいってのは分かっていますが、それでもやっぱり付いていてくれると安心感が段違いです。
そして、「マウントアダプター設定」なる、レンズ名&焦点距離を登録しておける機能もありがたい。Exifにも反映できるし、これが多分手振れ補正の機能最適化にも利用されているわけですよね?メーカーもマウントアダプター遊びを楽しんでくださいねって言ってくれてる気がしてうれしい。
そしてやっぱりこのクラシカルなデザインが、オールドレンズに似合うのです。メーカーをまたいで装着することに関しては賛否あるかもしれませんが、わたしはこれらの機能の利便性&ルックスが好みだったことから、人生2度目のオールドレンズブームが来てしまいました。笑
角ばったところと、滑らかなところのバランスがとてもいいし、フィルムカメラを想起させるようなクラシカルな雰囲気を醸しながらも現代的なしっかりグリップも装備。操作感の観点でも、重ためのモードダイヤル、カリカリ回るほかのダイヤル、など回し心地も考え抜かれていて。すき。
(5) ありがとうフィルムシミュレーション専用ダイヤル&必要十分な拡張性
まずはフィルムシミュレーション専用ダイヤルについて。ボディ左側についているダイヤルはほぼフィルムシミュレーション専用ダイヤルです(一応、マニュアルモード時などには割り当て機能変更できる)。一見自由度を低下させる采配な気もしましたが、これがよかった。実際めっちゃ回す。もしもメニューの深いところを掘っていかないとフィルムシミュレーションを変更できない仕様だったら、わたしは今のようにいろんなシミュレーションを試していなかったかもしれない。モードダイヤル付き機種だし、富士フィルム機が初めてのユーザーをけっこう想定していたからなのかな。被写体に合わせてくるくる回すとびっくりするほど違った味わいの世界が広がって、ああ楽しいなってなります。
そして、拡張性について。充電がType-Cなのがまずいいですね。未だにMicroUSB搭載の機種は結構ありますけども、スマホと一緒の方が絶対楽!特にこのX-S10はType-Cからモバイルバッテリーなどで充電しながらも使えるので共用できるのはありがたいです。
★X-S10で撮影した作例
オールドレンズ・純正望遠ズーム・キットズーム(安い方)で撮影したものを選んでみました。軽くて握りやすいボディなので、いつも持ち歩けるし、どこまででも被写体を追いかけられます。
オールドレンズ |
XF55-200 |
XF55-200 |
XF55-200 |
XC15-45(キットズーム) |
XC15-45(キットズーム) |
なんとなく数枚チョイスしてみましたが、この「みずかめら」にもたくさん作例を載せていますので、よかったらご覧くださいね!
関連記事:【作例あり】105mm 単焦点マクロの楽しみ|AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8D
関連記事:200mmの望遠単焦点レンズ(換算300mm)でのんびりお写んぽスナップ|Canon FL200mm F4.5
★みずかめら的、X-S10の惜しいポイント
大好きな機種ですし、そんなに文句を付けるところもないのですが、しいて言うならここがこうなってたらよりわたし好みだったなあ...っていうものを一応書いてみます。(ユーザーの1意見として富士フィルムさんにもしも届いたらなあなんていう思いを込めて...)ソフトウェア的な点6つと、ハードウエア的な点1つを挙げます。
(1) SP(シーンポジション)モードに、ご飯をおいしく撮るモードがあったらいいのに!
SP(シーンポジション)モード、シーンを選ぶといい感じの設定にしてくれるよーってモードなのですが、パーティーモードはあっても料理モード的なものが無いんですよね。
SPモードの選択肢、左側が上半分、右側が下半分です |
わたし自身はあまりSPモードは使わないのですが、カスタム設定をみんな寒色寄りだったりエテルナベースだったりでほぼすべてメシマズな色味設定にしている関係で、たまーにしか撮らない料理・ご飯系はこういうオート設定のモードを頼りたい気持ちになるんですよね。ちょっと暖色にして、、、とかやってるうちにお料理冷めちゃったら悲しいし。ってわけでご飯をおいしく撮るモードがあったらなって思います。
(2) ファンクション設定の自由度
押し込むボタンに対しての機能設定の自由度に不満はありません。が、くるくる回すダイヤル...なぜダイヤルの設定割り当てが固定なのでしょうか...!
人差し指および親指で回すポジションにあるダイヤルの機能は固定です(2021年10月現在) |
上の画像で黄色い枠で囲んだ部分にあるダイヤル、AモードだったりSモードによって絞りだったりシャッタースピードだったり露出だったりを変更するダイヤルになるのですが、それぞれがどの役割を持つかはモードによって固定されていて、任意に変更することはできません(2021年10月現在公開されているバージョン)。X-S10を購入する前に使っていた機種は親指で絞りを変更してたから、未だにその癖で親指で絞りを変えようとしちゃうんだけどそこは露出だった...!みたいな操作ミスが未だに発生しちゃいます。変えられたらいいのになあ。富士フィルムの操作スタイルに順応しろっていうスパルタ教育なんですかね。。。
(3) ズームレンズ使用時、現在の焦点距離を表示してほしい
焦点距離の値を見たからといって写真が変わるわけではない、それは分かっているのですが!
ワイド端とテレ端の範囲の中でどのくらいにの割合にいるのかしか分からない |
たとえば単焦点レンズの購入検討時とか、〇mmの画角で固定していろいろ世界を覗いてみてしっくりくるかどうかとか確かめたいと思いませんか?Exifにちゃんと焦点距離を記録できているわけだから、リアルタイムで焦点距離を認識できてないわけではないと思うんですよね。(SONYのミラーレスでは表示できてたんですよね。もしかして特許とかそういうやんごとなき事情があるのかなあ...)
(4) 顔認識の精度がいまいちで、ちょっとビビる
顔は顔として認識してくれるのですが、顔じゃないものに対しての顔判定が甘々な気がします。
たとえばこの写真、キットズームで木を撮ったものなんですが...顔があるというので拡大してみたら、玉ボケを顔と認識していました。確かに目と鼻と口に相当する〇があるかもしれないですけども。こういうの、レアってわけでもなくて、
こんな感じで、別の草に対しても顔判定を下しているんですよね。今度は葉っぱかなあ。ちょっと心霊現象感あって怖いので、もう少し精度が上がってくれると助かります。
(5) バリアングル液晶使用時のアイセンサー
下から斜め上を撮るときなど、バリアングル液晶を開いて使うと思うんですが、これ使ってるときにカメラを身体に引き寄せすぎるとEVFのアイセンサーがおなかに対して反応しちゃって、意図せずEVF:ON、モニター:OFFになっちゃうんですよね。なのでカメラと身体を意図的に遠ざけなくてはならなくて、結構不便。バリアングル液晶の適切な表示向きを判別するセンサーは付いてるっぽい(液晶反転で表示反転する)ので、それと組み合わせてなんとかならないものでしょうか...
(6) EVFの表示倍率変更したい!
EVF(電子ビューファインダー)、表示自体はとってもよいのですが、できることならばもう少し表示する選択肢も欲しいなと。眼鏡かけているときに眼を近づけられないから隅々まで見渡すのが大変だったり、
こんなふうにまぶしい日差しの下でEVFを見やすくするためのアイカップを付けたときにケラレてしまったり…ってのがあるので、現状の0.9倍とか0.7倍とかの表示に変えられたらうれしいな、と。
(7) 内蔵フラッシュの位置が固定なのが惜しい(上向きバウンスとかできない)
バウンスやりたかったらちゃんとしたフラッシュ買えばいいってことですね分かります。
実際そんなに使用頻度高くないし、動画機として使うなら瞬間的な光源としてのフラッシュよりも、定常光として外部LEDとかで照らす方が多いですけども。フラッシュがこの位置よりも上向いてくれたらもうちょっと使ってみるのになあっていう気はします。気がするだけです。
ひとまず以上です!ここまでお付き合いいただいた方、ありがとうございました。愛を語ればきりがないし、写真機としての機能そのものに不満は全然なくて、今回挙げた不満点も「しいて言うなら」って感じでして、ほんとにカメラ全体とっても気に入っています。大好きがつのりすぎて、富士フィルムさんから1円ももらってないのにこんな感じで布教するブログ記事まで書いてしまいました。笑
これからも長く相棒として過ごしていきたいです( *´`)
次は一緒に使っているアクセサリ類の紹介もしたいな。
→アクセサリについてはこちら!:富士フィルムX-S10と一緒に使っているアクセサリまとめ
追記:冬に、手袋した状態で使ってみたのですが、なかなか使いやすかったので使い心地を記事にまとめました。真冬に使うXーS10|手袋してても想像上に扱いやすかった