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2022/03/17

雪に合うフィルムシミュレーション探し|X RAW STUDIO

フィルムシミュレーションを楽しむ回。

こんにちは、みずです。ちょっとお久しぶりです。ご覧いただきありがとうございます!

雪に合うフィルムシミュレーション

XーS10と出会い、フィルムシミュレーションの楽しさを知ってからというもの、「クラシックネガ」をひたすら愛してきました。どこか懐かしい、しっとりしているけど枯れたような、味わいのある色味に惚れていて、ああこの色を見るために富士フィルムのカメラを使っているんだよなあーなんて思ってしまうくらい

しかし、X-S10と迎える初めての冬、これまで通りにクラシックネガで撮っていて違和感がすごかった

そう、クラシックネガにはハイライトにマゼンタを足す性質がありまして、雪で真っ白の世界を切り撮ると、どことなくピンクの世界になってしまうんですよね。わたしのなかの雪は寒色のイメージ。暖色だと違和感がすごいのです。

以下の画像は、同じRAW画像に対してさまざまなフィルムシミュレーションを適用してみたものです。あえて雪だけを撮った、ほぼ真っ白な写真をチョイスして比較しています。

レンズは過去にご紹介したAngenieuxのレンズで撮影しています。(なので外側がケラれています。)
関連記事:【作例あり】Angenieux 75mm F2.5 Type P3|エレガントなフレア・虹色ゴーストのフランス製シネレンズ

雪の写真に各種フィルムシミュレーション

雪の写真に各種フィルムシミュレーション

このとおり、こうしてみるとクラシックネガのマゼンタのノリ具合すごいですよね。このマゼンタがいい味になってくれるときはいいのですが、雪にはちょっと違和感があるかなあ。

そんなこんなで(ある意味バカの一つ覚えのように)これまで「クラシックネガしか勝たん!」って思いながら撮ってきたわたしに宿題ができました。

★雪景色にあうフィルムシミュレーションを探そう★ フィルムシミュレーション初心者の方、富士フィルムのカメラに興味を持っている方はぜひご覧いただけますとうれしいです。ベテランの方はどうぞお手柔らかに。


X RAW STUDIOでいろいろ検証する

というわけで、普段はjpg撮って出し派のわたしなのですが、RAWで撮影→富士フィルム純正のRAW現像ソフト「X RAW STUDIO」を用いてフィルムシミュレーションを適用し、現像しました。比較をしやすくするため、フィルムシミュレーション以外のパラメーターは統一してあります。

そうそう、この「X RAW STUDIO」、ちょっと前まで使っていたWindows10のノートパソコン(Core i5第8世代、メモリ8GB、オンボードの低スペグラボ)だとモタモタカクカクでまともに動いてくれなかったのですが、M1 Macbook Air(メモリ8GBの吊るしモデル)ではびっくりするくらいサクサク動いてくれています。ミドルレンジのMBAはホントコスパ良い。しあわせー

X RAW STUDIO操作画面
X RAW STUDIOの画面はこんな感じ

ここから先の写真はVILTROX33mmで撮影した写真たちです。
参考記事:VILTROX 33mmF1.4 春夏秋冬使用レビュー|富士フィルムX-S10での作例

まずは、日中に撮影した写真です。お空の青と雪の白!って感じの1枚。こちらに種々のフィルムシミュレーションを適用してみると…

雪景色の写真に各種フィルムシミュレーション

こんな感じになりました。スタンダードなシミュレーション3種のPROVIAはあっさり、VELVIAはまばゆい、ASTIAはバランスが良い感じ。真っ白雪に適用した際にはあまり感じませんでしたが、VELVIAも結構赤み出るのかな。

雪景色の写真に各種フィルムシミュレーション2

次にクラシック兄弟。クラシッククロームはめっちゃおおおって感じ。この空の青さこそネガフィルムで撮ったときの青なのでは…って。クラシックネガはやっぱりマゼンタがのりますね。空の右上が他のシミュレーションと比べてかなり白んでいるような気も。

雪景色の写真に各種フィルムシミュレーション3

次にローコントラストのエテルナ系。ちょっとあっさりめで、見ていて疲れない良さはあるのですが、今回の写真ではちょっと物足りなさを感じました。モノクロのアクロスもせっかくならRとかYフィルター付きのシミュレーションにすればよかったかな、空と雪との色の差が曖昧になってしまいました。


次に、夜に撮影した写真です。写真奥の方に暖色系の街灯があります。内蔵フラッシュを焚いて雪を玉ボケにしたかったのですがちょっと雪の量が少なかったなあ。。。

夜の雪景色写真に各種フィルムシミュレーション

まずはスタンダード3種。VELVIAの雪は青みがあるのかな、やはり色が濃い印象。

夜の雪景色写真に各種フィルムシミュレーション2

クラシッククロームは日中の写真に感じたスタンダード3種との圧倒的な色の違いをあまり感じず。わたしだけかもしれませんが。クラシックネガは相変わらず赤いです。

夜の雪景色写真に各種フィルムシミュレーション3

そして今回わたし的ドハマリしたのはエテルナブリーチバイパスです。ともすればモノクロかと一瞬思ってしまうような落ち着きのある色味がぐっときました。渋くていい。その観点からいくとアクロスも結構好きです。そもそも夜に高感度アクロスでざらっとしたモノクロ写真を撮るのが好きなのでそういう意味でもびびっとくるのかも。
関連記事:フィルムシミュレーションをもっと楽しむ方法


雪に合うフィルムシミュレーション、とりあえずの結論。

そんなこんなで、わたしのなかの「雪に合うフィルムシミュレーション」、日中の写真にはクラシッククローム、夜にはエテルナブリーチバイパス推しでいきます。


「WBシフト」をしてマゼンタを抑える作戦

最後に、どうしても雪景色に対して違和感なくクラシックネガを使うための方法を考えました。そこで出した答えは、「WBシフト」です。

ご存じの方もたくさんいらっしゃると思いますが、WBシフトとはホワイトバランスを調整する要領でカラーバランスを調整できる機能で、画像全体的な色味について、X軸:緑←→赤、Y軸:青←→黄色の座標の中から色のバランスを調整できる機能です。もちろんボディ内でも設定できますし、X RAW STUDIO内のRAW現像でも変更できるパラメーターです。

ここでは赤みを抑えたいので、緑側に点を動かしていきます。そうすると…

WBシフト-2

R(X軸):-2、つまり原点よりも緑側に2個ずらしたらこんな感じ、2つ動かすだけで結構赤みがなくなります。-3だと、

WBシフト-3

こんな感じ。かなり赤みが軽減されるどころか、青緑みが感じられるくらいです。このように、WBシフトは2〜3つ動かすだけでもかなり色味が変化して、同じフィルムシミュレーションを適用していても印象が変わるので楽しくておすすめ。写真は主観もりもりの世界なのでお読みのみなさんがどうお感じかはわかりませんが、わたしはこのくらいの色味なら「雪を雪として見られる」感じがするので、ありだなあと思いました。


いつもフィーリングでjpg撮って出しか、RAW現像でもLightroomのいい感じのプリセット適用しちゃうことが多いタイプのわたし(カメラ好きな方からは怒られちゃいそう…)なのですが、こんな感じでいろいろフィルムシミュレーションを比べてみるのを通して、富士フィルムの枠組みの中でRAW現像してみるのも楽しいものだなと再発見できました。富士フィルムユーザー2年生になるので、これからはもうちょっとこだわっていきたいな。お読みいただきありがとうございました。

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