オールドレンズで光を操り、虹をかける。
Angenieux 75mm, Fujifilm X-S10, Velvia |
ご覧いただきありがとうございます。みずです。今日はエレガントなフレア・虹色ゴーストがお気に入りのオールドレンズ、Angenieux 75mm F2.5 Type P3をとりあげます。前半で作例、後半でレンズについてお話します。
実は、アンジェニューというメーカーはこのレンズを譲り受けるまで知りませんでした。フランスのシネレンズメーカーなのですね。Cマウントレンズで、イメージサークルが小さいので、APS-Cカメラに付けるとちょっとケラれるのですが、それはそれで味わいがあってよいかなと思って使っています。
【作例】富士フィルム X-S10との組み合わせ
◆光と遊ぶ。
Angenieux 75mm, Fujifilm X-S10, CLASSIC CHROME, Grain effect |
フレア・ゴーストを出すために絞り開放で撮影しています。フィルムっぽい仕上げをしてみたくてグレインエフェクト強めにかけちゃいました。真上に太陽を持ってきてみたら、光のシャワーって感じ。
Angenieux 75mm, Fujifilm X-S10, CLASSIC CHROME, Grain effect |
Angenieux 75mm, Fujifilm X-S10, CLASSIC CHROME, Grain effect |
ちょっと強めの光が近づくと、ほんのりと虹が登場します。角度によってはがっつりと。現代レンズでは考えられないような虹ゴースト。好きじゃない人は好きじゃないだろうけど、好きな人は好きだろうなあ。虹の色味もきつくなく、くっきりと強すぎない淡い虹なのでわたしはかなり好きです。
Angenieux 75mm, Fujifilm X-S10, Velvia |
太陽の角度によって、2本の虹にもなります。
一方、最小絞り(F32)まで絞ると、青っぽいコーティングの色の影響かわかりませんが、青~紫色の六角形のゴーストがたくさん登場します。
Angenieux 75mm, Fujifilm X-S10, Velvia |
あああああああ!センサーゴミすみません!このあとしっかりセンサーもレンズもブロワーで吹き飛ばしまくり、ゴミはさよならしました。泣笑
◆最短撮影距離・無限遠の撮影
Angenieux 75mm, Fujifilm X-S10, Velvia |
最短撮影距離、およそ1mくらいしか寄れないのですが、75 mm×1.5(APS-C)=112.5 mm の望遠なので、お花もいい感じに撮れます。開放F2.5ですごく明るいレンズというわけではないですが、ほわっとしたボケ感。若干ぐるぐるボケ感もあります。
Angenieux 75mm, Fujifilm X-S10, Velvia |
次に無限遠、実はマウントアダプターとの相性の問題でちゃんと無限遠が出てないので、”ほぼ”無限遠なのですが、、、
Angenieux 75mm, Fujifilm X-S10, Velvia |
ケラレ具合がよく分かりますね。グラデーションの感じ、これも好きです。
オールドレンズをミラーレスで使う!
作例をご覧いただきましたが、いかがだったでしょうか。後半では、レンズの見た目や、愛機・富士フイルムX-S10で使うために用意したものたちをご紹介していきます。
◇レンズの見た目
純正キャップはスクリュー式で、金属製です。刻印がかっこいい!
シルバーの金属製鏡筒、しっとりとちょっと重め(個体差かな?)のヘリコイドです。青色~紫色っぽいコーティングを撮りたかったのですが、うまく映らず!>_<
X-S10ボディに付けるとこんな感じ。標準的なAPS-Cセンサー用レンズと比較すると、細くてちっちゃいですね。マウントからひょっこり生えているみたい。レンズのコンパクトさが際だちますね。軽やかで可愛くて個性的なルックスで、カメラにほとんど関心のない友人からも「不思議なレンズついてるね?」と言われたほどです。
◇現代のミラーレスで使うに当たり、用意したもの
いろいろくっつけて、便利に使うために完成したレンズがこんな感じです。笑
趣は半減してますが実用の為にはしゃあなし!
・マウントアダプター
スクリューマウントであるCマウント、アダプターとレンズの相性によってはねじ込んでも最終地点に到達せず、無限にくるくる回っちゃうことがあるみたいです。(お弁当のちっちゃい醤油瓶のイメージ笑)
今回取りあげているアンジェニューちゃんと、わたしの買ったアダプターと組み合わせもそうなってしまいまして、いい感じのねじ込み具合だと無限遠がちゃんと出る(若干オーバーインフ気味)のですが、イマイチな位置だと無限遠がでません。むう。
こればっかりは試してみないと分からないですよね。。。そんなこんなで完全にしっくりきた訳ではないですが、何個もマウントアダプターあっても困るのでとりあえずこれを使い続けています。
この子しかCマウントレンズを所有してないので、使わないときも基本アダプターは付けっぱなしにしています。(心配症すぎるかもしれないけど)スクリュー磨耗したらイヤだし。
・レンズフィルターとキャップ
わたし、チキンなので保護用レンズフィルター無しのレンズを持ち歩けないタイプの人間です。現代レンズにはレンズの周囲にフィルター径が書いてあることが多いですが、この子はフィルター径の記載がありません。そこでノギスを用いて計測したところ、内径39 mmでした。安定のAmazonで検索してみると、マルミのフィルターが見つかりました。しかもフィルター枠がシルバー!レンズ本体の雰囲気に合いますよね。と言うわけでポチ。
そして、元々付いていたこの子のレンズキャップは先に述べたようにスクリュー式でした。とても薄くて小さい。無くしちゃったら早々手に入るものでも無さそうで、持ち運ぶのが怖くて。そこで同じく39 mmのレンズキャップを探して、ポチ。黒かつプラスチッキーで、趣なんてあったもんじゃありませんがこれは妥協。売ってるだけありがたいです。
【というわけで買ったものたち】
おわりに。
最短撮影距離1mの観点からもあまり室内向きとはいえず、(個体差はあるかもですがヘリコイドが重たいために)ピント合わせに時間がかかるので、まったりお散歩しているときの相棒にぴったりかもなって思ってます。
今までは曇りの日にフィルムシミュレーション「エテルナ」と組み合わせて、なんとなく憂いを帯びた雰囲気の写真を撮影するのが好みだったのですが、晴天時に「ベルビア」と組み合わせて、こっくりとした色合いと虹色フレアを楽しむのもとても気に入ったので、これからも色々なシチュエーションに持ち出していきたいです。
今日もご覧いただきありがとうございました。