フィルムシミュレーションを深く知って、カスタムして、もっと楽しむ!
みなさんこんにちは、みず(@mizucamera_)です。ご覧いただきありがとうございます!今回は、フィルムシミュレーションをもっと楽しむ方法、と題して、「画質完全読本」と富士フィルム公式が発信しているフィルムシミュレーション情報をまとめてご紹介します!
■フィルムシミュレーションとは?
もしかしたら「フィルムシミュレーション」を初めて聞く方もいらっしゃるかもしれないので、簡単にご説明しますね。あくまでも本ブログ筆者みずの解釈です。
富士フイルムのデジタル機に搭載されている「フィルムシミュレーション」とは、他社でいうピクチャーコントロールやクリエイティブスタイルなんかとおなじ立ち位置の、写真の発色の仕方をコントロールするための設定のことです。ナチュラルとかビビッドとか、そういうやつですね。(ソフトフォーカスとか、パートカラーといった「フィルター」とは異なります。)
青系の発色いろいろ |
そういうものに対して富士フイルムは実在する(or過去実在したにした)フィルムの名前を割り当てたり(例:PROVIA、ACROSなど)、ある時代・目的のフィルムを思わせるネーミングにしたり(例:クラシッククローム、クラシックネガなど)しています。
もちろんカメラメーカー各社、「色」に対して様々検討されているのでしょうが、富士フィルムのフィルムシミュレーションにはフィルムメーカーだからこその拘り・思想が詰まっているため、ファンの心は掴まれてしまうのです。わたしもその一人。
デジタルカメラで撮影した写真の色味は、RAWで撮って後から編集すればいくらでも調整できるものではあります。それでもなぜフィルムシミュレーションの枠組みに拘るのか?その答えは十人十色だと思いますが、なによりも撮っていて楽しいから、じゃないでしょうかね。
緑系の発色いろいろ |
というわけで、本記事では「フィルムシミュレーション」について、より深く知り、カスタムして楽しむために富士フィルム公式から供給されている情報をまとめていきますよっ
■画質完全読本(玄光社MOOK)
まずご紹介するのは玄光社から発売されている「画質完全読本」です。この本は買ってよかった...!ちょっとした写真集としても楽しめるし、フィルムシミュレーションへの理解をより深めることもできるし、とにかく読み応えのある1冊でした。
当然著作権的に中身については詳しく語りすぎてはいけないのですが、一番のお気に入り特集は「カラー系FILM SIMULATION比較」です。青・赤・緑・黄そして肌の色について、全部のフィルムシミュレーションを使ったときにどんな発色の傾向を持つのか、分かりやすくまとめられています。一覧にしてみると、結構違うなとか、この色の出方は好みだなとかを比べやすくて。
また、富士フィルム機を使うプロのカメラマンさんを取材した特集では、実際の仕事の現場で使用されているフィルムシミュレーションやそのカスタムのこだわりなどが紹介されていて、大変興味深かったです。
というわけで、本書に掲載されていたフィルムシミュレーションカスタムのアイディアを参考にして撮影した写真を載せてみます。本書の中では、それぞれのシミュレーション紹介ページに“TIPS”としてカスタムのアイディアが掲載されています。
使用カメラ:富士フィルム X-S10、 レンズ:XC15-45(安い方のキットレンズ)
もともとかっこよくクールに写るクラシッククロームですが、このカスタムではよりパキッとした写りに。
露出アンダー目にして、よりクールに。
今回はクラシッククロームのカスタムが気に入ったので使ってみましたが、ほかのカスタムも試してみたいなあと、そして使わず嫌い(?)してしまっているプロネガ系も使ってみようかなと思わせてくれる本でした。
一応留意しておくべき点として、本書が発売されたのはX-S10が発売されるちょっと前、当然X-E4も発売前のため、ボディの情報として掲載されているのはX-T4やX-Pro3までです。しかし本書のメインはフィルムシミュレーションの話ですし、APS-Cセンサー機のフィルムシミュレーションの最新2つ「クラシックネガ」「エテルナブリーチバイパス」まで掲載されているのでその点は気にしなくて大丈夫かなと。ただし、ラージフォーマットGFX100Sに合わせて開発された最新の「ノスタルジックネガ」は未掲載です。
めっちゃほめてばっかりなのもアレかもなのでほんのちょっとだけ残念ポイントは、いくつか誤植が気になるところ。P26 彩度→サイドやP46のエテルナ部分の説明など。理解に差支えは無いのですがね。内容は大満足だったので不満はこのくらいです。
電子書籍版が無い(2021年8月現在)ことは購入検討時に残念に感じたのですが、この本は写真集的側面も強いのでプリントされたものを観るのに意味があるなと、読み進めていくうちに感じました。
■デジカメWatchさんの記事
次に、オンラインの記事の紹介です。これまた読みごたえがありますよ!
★富士フイルムのフィルムシミュレーションはどのようにつくられているのか(前編)
★富士フイルムのフィルムシミュレーションはどのようにつくられているのか(後編)
写真家のライターさんと開発者さんたちの対談形式で、フィルムシミュレーションの開発エピソードが詳しく掘り下げられており、興味深く読めます。特に、【後編】に掲載されているフィルムシミュレーションの具体的なカスタムアイディアに注目です。ライターさんと開発者さんが共感しあいながらおすすめのカスタム方法を紹介してくださっています。
というわけで、わたしもこの記事中で紹介されていたカスタムを試してみました!
使用カメラ:富士フィルム X-S10、 レンズ:VILTROX 33mmF1.4 (純正レンズじゃなくてすみませんっ)
※シミュレーションのカスタムは、FUJIFILM X RAW STUDIOを用いて後処理で適用しました。
デフォルトのままだと硬いから、ちょっと軟調にしたPROVIA。
これまた常用によさそうな、プロネガのカスタム。
「映え」なクラシックネガ!シャープネス下げてゆるくするの、これもいいかも。
そして、よりハードな「写真作品としてのブリーチバイパス」。色の薄い世界かっこいい!
1枚単体よりも何枚か並べて組み写真みたいにしたくなる雰囲気。
どうでしたか?元の写真データは全く同じなのに、全然違う写真みたい。これがフィルムシミュレーションの楽しいところです。
開発者さんのおすすめするカスタムアイディアには説得力があって、真っ先に試してみたくなっちゃいますよね。
■富士フィルムの中の人によるYoutube解説動画
富士フィルムのYouTubeチャンネルのなかで、開発者さんたちがカメラにまつわるエピソードを語ってくださるのがX labシリーズです。最近の3本はフィルムシミュレーションについて取り上げられていました。
★【X lab #17】フィルムシミュレーション徹底解説①/富士フイルム
★【X lab #18】フィルムシミュレーション徹底解説②/富士フイルム
★【X lab #19】フィルムシミュレーション徹底解説③/富士フイルム
特に#18の2本目にて開発者さんたちそれぞれのおすすめフィルムシミュレーション使いわけおよびそのカスタムが紹介されています。今までは文章で読んできましたが、実際に開発者さんの生の声が聴けるのもいいですね。農家さんの顔が見える新鮮野菜的な感じで...!笑
皆さん生き生きとお話しされていて、BtoCの研究開発も素敵だなあとも思わせてくれます。
その中でも特に2本目の2:18くらいから紹介されていた、ACROSモードを今までほとんど使ったことが無かったので、この動画をきっかけに使ってみた写真をご紹介します。この動画中で紹介されていた、高感度にすることによって生じる粒状感も楽しんでみました。(ブログ掲載用にリサイズした都合上、粒状感が伝わりにくかったらすみません!)
使用カメラはこれまで同様X-S10ですが、レンズはいろいろです。記憶喪失。。
これまでACROSを使ったことなかったのがもったいなくなるくらい。
日陰など、暗めの環境でしたら感度を上げてもある程度適正露出で撮れますが、日なたの場合はNDフィルター付けるか、シャッタースピード爆速にするかですね。
この感度高めのACROSの楽しさを知ってから、夜のスナップのお供がACROSになりました。上の写真は夜の工事現場の壁と、その脇に生えていた雑草なのですが、光が当たって仮設壁に影ができていい感じに。カラーで撮るとノイズが気になる夜でも、感度高めACROSなら味わいになります。
夜ならではの光のグラデーションを楽しめる。
モノクロに苦手意識を持っていて、モノクロモードはそもそも使おうなんて思ったことが無かったので、この動画をきっかけに楽しい使い方を知れて感謝でした。
このACROSの話以外にも、開発者さん的季節ごとのフィルムシミュレーション使い分けなど、必見です。
使い分けて、カスタムして、もっと楽しい!
というわけで今回の記事では、フィルムシミュレーションそのものや、カスタムに関して、富士フィルム公式から出ている情報をまとめてみました。まずはこれらを参考に、自分なりの好みをもっと追求していこうと思います!
もちろんRAW現像で追い込んで色を追求していくのも素敵ですが、今のわたしの気分としては、お気に入りのフィルムシミュレーション&カスタムを見つけてプリセットとして、JPG撮って出しでガンガンシャッターを切りに行きたい!そんな感じです。
お読みいただきありがとうございました(*' '*)よかったら関連記事もお読みください!
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