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2021/09/20

【作例あり】フォーカルレデューサー付マウントアダプター|中一光学 Lens Turbo Ⅱ

APS-Cセンサー機でも、オールドレンズをオリジナルの焦点距離で楽しみたい!

こんにちは、みず(@mizucamera_)です。ご覧いただきありがとうございます。
今日は「フォーカルレデューサー付きマウントアダプター」についてのお話です。

フォーカルレデューサー付きマウントアダプター
みずかめら
みず

APS-C機でオールドレンズを愛用している方に、ぜひ読んでいただきたいです!

皆さんのお持ちのミラーレスカメラ、どのサイズのセンサーのものをお使いでしょうか?

わたしは価格や重たさの観点から、APS-Cセンサー機しか使ったことがありません。そして、オールドレンズも大好きでよく使うのですが、APS-Cセンサー機で一般的な35mmフィルムカメラ用オールドレンズを使っていると思うのが「焦点距離が伸びてしまうのが一長一短だなあ」、ということ。

35mmフィルムカメラ用のレンズをAPS-Cセンサー機に付けると、焦点距離が1.5倍になります。よく35mm換算とか言われているやつです。

例えば24mmの広角レンズはAPS-Cでは36mm、ちょっと短めの標準レンズに。
ザ・標準レンズの50mmは75mmの中望遠になります。これはメリットととらえることもできる一方、デメリットにもなります。広角寄りが好きな方には特にそうかな。

そんな時、ボディのセンサーサイズはそのままに、35mmフィルムカメラ用レンズをほぼオリジナルの焦点距離で使うことができるマウントアダプターがあります。それが「フォーカルレデューサー付マウントアダプター」です!


●フォーカルレデューサー付きマウントアダプターとは?

フォーカルレデューサー付マウントアダプターとは、マウントアダプターに縮小光学系が入っているもので、今回わたしが購入した中一光学のLens Turboでは焦点距離を0.726倍に縮めることができます。つまり、
24mm×1.5(APS-C換算)×0.726=約26mm に、
50mm×1.5×0.726=約55mm になるのです。魔法みたい。

また、レンズの明るさ(F値)も1段分明るくなるとのこと。(あくまでもメーカー曰く。1段分ほどではないとおっしゃっている方の記事もありました。)

追加で光学系を入れてしまうことは本来のレンズの味・写りを変えてしまうことになるので、あまりよく思わない方もいらっしゃるとは思いますが、わたしには「手持ちのオールドレンズが2倍楽しめる!」って、もう魔法みたいに思えて。そしてお迎えしました。

マウントアダプターX-S10に装着
購入したのは、Nikon Fマウント→富士フィルム Xマウントのもの。
みずかめら
みず

今回わたしが購入したアダプターは「FマウントのNikkorレンズを富士フィルムのXマウントボディに取り付けるためのもの」ですが、ほかのマウントからマウントのものも多数ありますよ!

なお、FマウントのGレンズ(絞りをボディから制御する仕様のためにレンズ自体に絞りリングが無いもの)用と書いてありますが、もちろんそれ以前のAiレンズも、Ai改造レンズも、Auto Nikkor も装着できました。ありがとう不変のFマウント。

Auto Nikkorレンズと組み合わせると、ヘリコイドのあたりのシルバーとアダプターのシルバーとでゼブラ柄レンズみたいでかわいい!( *´艸`) ※シルバーの発色は微妙に違うけど。

そうそう、ただの「筒」だった普通のマウントアダプターと違い、フォーカルレデューサー付のアダプターはレンズが入っているのでその分重たいです。


●使用上、おさえておきたいポイント

(1) アダプター側の絞りリングを一番右にした状態で、レンズ側で絞りを動かすのがおすすめです。(フィルムカメラとかで、開放でピント合わせてシャッター切るときだけ絞り羽根動く自動絞りの機構に対応するものだと思うのですが、使い初めにピンとくるまで時間がかかりました...)
新しいGタイプレンズの場合はアダプター側の絞りリングでしか絞りを動かせませんが、それ以前のレンズの場合はレンズ側でもアダプター側でも絞りを変えられます。ただ、アダプター側での絞り変更だと無段階なのでいまの絞りがどの位かわかんなくなっちゃうため、上記の方法がおすすめです。

(2) アダプターの絞りリング、めちゃめちゃ勝手に動きやすいので、見えにくい裏側をテープで固定しちゃうのがおすすめです。Gタイプレンズを付ける方以外ね。

マウントアダプター注意事項


■フォーカルレデューサーを付けたレンズの描写を観てみる

フォーカルレデューサーを付けると、レンズがちょっと明るくなるメリットがあります。一方で、追加で光学系を入れてしまうことによる描写への影響も気になるところです。そこで、つたないですが検証というか、見てみました。

ボディ:富士フィルム X-S10、レンズ:Nikkor-HC Auto 50mm F2 です。
ちょっと問題児だけどお気に入りのオールドレンズ。
関連記事:【作例あり】Nikkor-HC Auto 50mm F2|バルサム切れ !? レンズの玉ボケ検証

ほぼおなじところを、レンズ側の絞りを変えて撮ってみました。ボディでは絞り優先オートにしていたので、自動でいい感じのシャッタースピードに変化しています。

Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー絞り比較
Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー
Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー絞り比較
Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー

どうですかね、風吹いてたから被写体ブレもあるのですが、開放ゆるく滲み、絞り絞ればしゃきっとする感じ。そんなに変わらず。次は切り出してアップで。スマホ等からご覧の場合、画像が小さくて違いが分かりにくいかもしれません。画像をタップしていただくと、大きく画像を表示できるはず...です!

Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー絞り比較
Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー

このレンズ、もともと開放はめっちゃ光が滲む子なのですが(そこが好き)、絞ればちゃんと解像感増し増し。その辺はちゃんとそのまま。画質もこんなもんじゃないかなあ。なんていうか、表現力が無くて、しかも画像も圧縮されちゃってるので分かりにくかったらごめんなさいなのですが、素人目にはとりあえず描写へのネガティブな影響は全然無い!と思いました

ただ、開放F値が元のレンズのF2よりも小さくなっているのは実感しました。ピント面がいつもよりも薄!!!って。今まで開放F2で撮っちゃうことも多かったのですが、フォーカルレデューサー付けてるときはピントが曖昧になりすぎちゃう感じが否めないので絞って撮ることの方が多いです。


■2種類のレンズに付けてみた、作例

Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー 花

わあいつもよりも広い!って思いながら撮っていました。

Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー テニスコート

スナップだと特に。広さを感じる。換算75mmだったのが55mmになっちゃうわけですからね。

Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー タチアオイ

ちょっと記憶が曖昧なのですが、開放か、1段絞りかそのくらい。レデューサー付ける前よりも、より背景がほわんと溶ける感覚があります。

Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー 落ち葉

初秋っぽい1枚。次からは24mmのレンズに装着したものです。

Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー コスモス

道端で。広角レンズを広角レンズとして使える喜び!家の周辺スナップはさすがに載せられないのでアレなのですが、とにかくスナップが楽しくなる画角ですね。換算26mm。

Nikkor-HC Auto 50mm F2 + フォーカルレデューサー 空と雲

上の作例だと周辺減光ありますが、絞ると多少改善します。

こんな感じで、レンズを倍楽しめる「フォーカルレデューサー付マウントアダプター」、買ってみてよかったです。試してみたくなったら、あなたもぜひ。

APS-Cサイズセンサーのカメラに装着すると、本来の画角<フルサイズ>で撮影できます。レデューサーレンズは集光効率が高いため、F値が1段分明るくなります。

お読みいただきありがとうございました。よかったらもう一記事、どうぞ。